青い空その空の下

青い空その空の下ばーちゃんは死ぬのが怖くないのだそうだ(榎田純子)



2019年8月14日15時20分、祖母逝去。享年88。

10年以上の長きにわたって認知症だった。自宅での介護、デイサービスやショートステイの利用の後、施設に入居して約8年。今年3月に脳梗塞を起こし、完全に寝たきりになる。もう何年も意思の疎通はできなかった。5か月にわたる低空飛行状態の入院を経て危篤に陥り1日半。肉体の死が訪れた。

この肉体の死が、祖母にとっての解放であると信じたい。

ただ、激しい雨に足止めされたせいとはいえ、結局は祖母を一人で逝かせることになってしまったのが心残りである。

葬儀で使う写真を探しながら、遺品である祖母の日記を読んだ。日付は2004年から2005年のものだった。元気だった最後の時期に祖母が胸の内に秘めていた思いを辿ることは、私にとっては祖母の肉体との死別よりもずっとつらいことだった。